いそいそ…。
いそいそ…。
おはようございまーす!
いそいそ…。
Aさんお早いですね。何されてるんですか?
オープンキャンパスの準備。課長の代理でメインを担当することになったから。
そ、そうなんですね。大変ですね。あっ!まさか!
その辺も例年通り。抜かりないよ。
抜かりないのが問題なんですが…。
そんなこと言っても、うちの大学の就職率や実績を全部正直に話したところで、高校生達は他のFラン大学に行くだけでしょ。大して変わんないって。うちの学生がせめて普通の就職さえしてくれれば、俺がこんなことする必要無いんだけどね。
う、うーん…。
ゆっくり霊夢はFランク大学の就職課に就職したようです【第31話】
※このサイトの記事は【Fラン大学就職チャンネル】の動画から引用・参考にして作られています。
オープンキャンパスは大学が高校生に営業をかけてるようなもの。客単価数百万円の商談なんだよ。俺達も営業マンにならないと。
は、はぁ…。え?俺達?
君が補佐だから。
ええ!?嫌ですよ!学生を騙す現場なんて見たくないですよ!
これも勉強だよ。大体、君の給料だって学費から出てるってことを忘れてない?入学者を増やす努力をしている人間無しでどう食ってくの?自分は給料を貰ってるけど、収入源である学生にアピールする現場は見たくないってのは都合が良すぎるんじゃない?
はうっ!ううう・・・。
誰かがやるしかないんだよ。営業マンをやるってことはそういうこと。
【オープンキャンパス当日】
司会者「学部長、お話ありがとうございました。次は、就職課より本大学の就職状況をお話させて頂きます。」
皆さんこんにちは!本日はお忙しいところお越し頂きありがとうございます!就職課のJと申します!簡単ではございますが、私より本大学の就職状況をご説明させて頂きます!お手元の資料にもありますが、本大学の昨年度就職率は約87 %。近隣の大学と比較してもまずまずの数字と言って良いでしょう。就職先としては、メーカー、不動産、IT、商社、金融、飲食、介護と幅広く、各業界の大手企業にも内定者が多数出ています。就職課としては、就職課主導の就職支援クラブを立ち上げたり、メールなどで学生からの就職に関する質問に答える等様々な取り組みをしており、学生の就職に少しでも役立つことを心がけております。また、先日、社会人となったOBが学生からの質問を受け付ける会を開きまして、学生たちには非常に好評でした。また機会を見て企画しようと考えております。
以上で説明を終えさせて頂きます。
何かご質問があればお答えします。
あ、それではそちらの…、えっと、お姉様でしょうか?
え!?いえ、母親です。
失礼致しました。お若いので勘違いしてしまいました。申し訳ありません。ご質問をどうぞ!
あ、すみません。えー、就職実績を見ると非常に良いように思えるのですが、先ほど仰っていた就職支援クラブというのは、具体的にどのようなことを行っているのでしょうか?
はい。主に模擬面接やグループディスカッション、筆記試験対策、エントリーシートの添削などが中心です。
特徴として、1年生から入会出来るようになっています。
なぜかと言うと、対人能力や学力のリカバリーには時間がかかることが多く、学生によっては就職活動直前からでは間に合わないことがあるからです。
他の大学では、3~4年生から就職支援をすることが多いでしょうが、この大学では希望者は1年生から就職支援を受けることが出来るわけです。
なるほど。ありがとうございます。
他にご質問がありましたらどうぞ。
はい、そちらの方どうぞ。
えっとー、さっきの就職クラブなんですけどー。何か、以前ツイッターとかで炎上してませんでしたっけ?学生の個性を無視した指導とか何とかで。今もそんな感じなんですかね?だとしたら、就職が良くてもどうなのかなーって思うんですけど。
…ええ、その節はお騒がせ致しました。
就職課としてはそのようなつもりは無かったのですが…。
本日はその件についてもお話しようと思っておりました。
実は、こちらの博麗がそのクラブの立ち上げと指導をしていたのです。
(ええええええええ!!)
彼女も非常に反省しております。ですから、皆さんに一言お詫び申し上げるべきだと思いまして、本日末席に加えさせて頂きました。
チラッ
…こ、この度は確かに行き過ぎた指導があったと反省しております。お騒がせして申し訳ございませんでした。
しかしですね、逆に言えば、私達はそれだけの熱意を持って学生指導にあたっているということです。反省すべき点は反省し、良いところは残していく。
全ては学生の皆さんの就職を思ってのことです。それだけはどうか信じてください。これで回答になりますでしょうか…?
まー、いいんすけどねー。
はい。それでは、次のご質問は…
【~終了後~】
はー…、やっと終わった…。
お疲れ。
お疲れ様です。いきなりあんな事言わされるとは思いませんでしたよ。
(あとJさんの顔が不気味でした。)
まぁ、それも営業の仕事だよ。相手は客だから。
あの後のJさん見てたら文句言う気も無くなりましたよ。よく我慢されてたなと。
うちにも非があるのは事実でしょ。何言っても言い訳としか思われないんだし、ああいうのは折れちゃったほうが良いんだよ。
はぁ…。そういうもんですかね。
そんなことより実を取るのが営業マンだよ。経緯はどうあれ入学してくれればいいんだから。
営業って大変ですね。学生が嫌がる気持ちも分かりますよ。
営業っていうのはそういう職種なんだよ。
え?
営業っていうのは、会社全体が抱える問題のしわ寄せを受けて清濁併せ呑まないといけない職種。
例えば、明らかに無茶な売上計画の達成を強いられるとか、商品の需要に致命的な問題があるとか。
営業マンの悩みの原因なんて、元を辿れば経営の問題だったりする。
でも、売らないと会社そのものが傾くからね。社内の誰かがやらないと。
もし適切な計画と売れる商品さえ用意してくれたら、そりゃ営業だって楽しい仕事だよ。
そういうもんですかね。
うん。
でも、同じ商品がずっと売れるわけもないし、競合次第で自社の状況も変わるからね。
会社が苦しくなれば営業現場も過酷になりがちだよ。
だからこそ、企業な総合職に営業を経験させておきたいんでしょ。
え?どういう意味ですか?
総合職で就職するってことは、将来的に経営陣になるか、経営に近い立場を目指すってことだよね。
40過ぎて役職ついてない総合職とかリストラ対象だし。出世は、したいとかしたくないとかじゃなくて、生き残りのためにしないといけない。
はい…。そうですね。
それで、ずっと好調な企業なんて歴史上存在しないよね。企業はいつも上がったり下がったりを繰り返してる。
トータルで右肩上がりの企業が結果的に大企業ってだけだし、学生に人気の企業は“今”比較的状況が良い企業に過ぎない。つまり、どんな企業に入社しようが、長く働いていれば良い時も悪い時も絶対に経験するんだよ。
数ある職種の中でも、営業は特に経営状況の影響を受けまくる。売上高を作っているのが営業なんだから、それは仕方ない事なんだよね。
状況が良い時なら社員も楽しく仕事が出来るかもしれないけど、悪い時は雰囲気がカラッと変わる。「商品が悪い」、「市況が良くない」、「あの部署が悪い」とか、同じ会社とは思えないような雰囲気になるわけ。
Aさん そこで、キレちゃう社員と諦めずに売上高を作り続けられる社員とに分かれる。
経営も似たようなところがあって、経営状況が良い時は誰がやっててもいいんだよ。よっぽどのアホじゃなければね。
問題は経営状況が悪化した時の舵取り。経営陣や管理職が悪い状況に耐えられないような人ばかりだったら怖いでしょ。綺麗事や理想論だけで売上高は作れないし社員を食わせることも出来ないんだからさ。
タフで現実に対応出来る人材は営業だけじゃなくて経営にも適性があるってこと。試しに総合職を営業に配属させておきたい企業側の気持ちも分かるよ。
学生が営業をやりたくない気持ちもよく分かるんだけど、企業の上澄みしか見ないのはどうなのかと思うよ。誰かが売上高を作っていて、そこから給料が出てるんだからさ。
この前の君みたいに、給料は貰うけど自社の負の部分に目を向けようとしないのは生涯下っ端の行動だよね。
は、反省してます…。
だから来年は頼むよ。
正直オープンキャンパスだるいからね。さっきみたいなクソガキの相手も疲れるし。
頼んだよ!
その顔やめてください!
【Q&Aのコーナー】
皆さんこんにちは。
基本的にはご質問を頂いた順に答えるつもりですが、中には緊急性の高そうな質問もあるので、その辺を考慮しながらやっていきます。
それにしても、理系大学生(院生)からの質問率が明らかに高いのは何か理由があるのでしょうか。
もしかして、この動画を見てる文系Fラン大生なんてほぼいないんじゃないんですかね。いや、冷静に考えてみたら、内容的に見ていられないかと納得しました。
さ、質問に答えていきます。
Jさんはじめまして。。長文になってしまいますがご容赦ください。
私は今教育大学の2年生です。地方国公立大で仮面浪人をし、今の大学へと移りました。
しかし、教員になりたくなったという訳ではなく、元々旧帝大の農学部を目指しており、現役生の時は落ちてしまったため地方国公立大の工学部へ進学しました。
現役生の時は工学部でも興味が持てそうな学部であったため進学しましたが、授業を受けていくうちにやはり旧帝大に進学したい思いが強く、
また実際に授業を受けてみてやりたい分野と違うと思ったため、仮面浪人を決意しました。
しかし、結局旧帝大には合格できず、教育大学の教員養成ではない課程(教員免許を取らなくても良い)に進み、大学院で学歴ロンダリングをしようとずっと思っていました。
また、理系はやはり大学院に行かないと出世コースに入れないとよく聞き、親が旧帝大出身なので親よりも出世して楽させてあげたいという思いが強いため大学院進学をずっと考えてきました。
しかし、最近年齢のことが気になるようになってきました。
学部卒業の時点で23歳、修士課程を修了すると25歳、私は修了過程を希望しているので、卒業したころになるともうそろそろ結婚を考えないといけないなぁと思うようになりました。
私の在籍している大学は公務員試験対策にも力を入れており、教員志望でない人は大抵公務員を希望しています。
私の学科の卒業後の進路を見てみると公務員、教員が多く一般企業はそれほど多くありません。
周りの院進学を目指していた友達も公務員を考え始めたと言っており、自分も少し揺らいでいる部分があります。
しかし、公務員に対するイメージは安定してるぐらいしかなく、市役所などに努めてしまうと一生お金を稼ぐために働くようになってしまうようで気が引けてしまいます。
私は就職するなら企業の研究部門で薬品や食品の研究をしたいと思っています。
質問としては
・教育大学出から一般企業の就職はなぜ教員にならなかった?とマイナスポイントになってしまわないか
・浪人して院進学をしてから就職するとなぜ浪人したのか、大学を変えたのか、という点に関してマイナスポイントになってしまわないか
・仕事はお金を稼ぐため、と割り切るべきなのか、興味がある分野で意欲を持って就職活動に取り組むべきなのか
の3つです。
Jさんの考えをご教示いただけると幸いです。宜しくお願いします。
はい。最後にご質問をまとめて頂いてありがとうございます。
1つ目と2つ目のご質問については気にしなくて良いでしょう。企業の応募条件で学部や学科が指定されているなら話は別ですが、条件を満たしているのならば皆同じ選考のテーブルに乗ります。
思われているほど出身大学や学部と志望先の一致性は求められていませんよ。ですから、質問者さんの状況は書類上特に不利でも有利でもありません。
浪人についても、1~2浪ならOKです。3年から少し良くないです。一部気にする企業もあるかもしれませんが、就職活動全般に支障をきたすようなものではありません。
そんなことよりも重要なのは、その企業で働ける素養があるかどうかです。
ただ、面接でその理由を質問された時のため、当たり障りの無い返答だけ考えておいたら良いでしょう。どちらにしろ、些細なことですよ。
3つ目の質問については、文面から質問者さんが何をしたいのか読み取れず、答えに困りました。ただ、「迷走しているな」と感じます。
一緒にされるのは心外でしょうが、Fランク大学には多浪した方や仮面浪人生も流れ着いてきますので、こういう方々の失敗パターンはうp主もかなり見てます。
こういう方々にありがちなのは、優先順位がついていなかったり、いつまでも落とし所を見つけられず進路選択がブレ続け、力が分散して結局何1つモノにならないというパターンです。
質問者さんのご質問と違いますが、恐らく優先順位をつければ答えが出るのではないでしょうか?
色々考えていらっしゃるようですが、考え事はシンプルにしましょう。この場合、まずは「結婚」か「希望の就職」かから考えてみましょうか。
若いうちに結婚したくて早めに収入が欲しいのならば、大学院に進学せずに大卒で就職すれば良いでしょう。就職先は民間でも公務員でもお好きに。
Fさん 大卒では希望の就職が出来ないのだとしても、若いうちの結婚を優先したのですからトレードオフです。
もし希望の就職を優先したいのならば、今は大学院への進学に集中です。
就職までの道筋が見えているならともかく、現時点で結婚を考えるのは早計でしょう。就職後に考えることをオススメします。
何を優先するかは質問者さんの価値観によります。もう年齢的には大人なわけですから、何を得て、何を捨てるのかご自分でよく考えるべきでしょう。
恐らく、大学受験よりも就職や結婚のほうが何倍も希望通りに行きません。適度な“損切り”をする事が求められるでしょう。
「選択と集中」、そして「落とし所」が重要ですよ。よく考えてみてください。
それではまた。
続く。
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