
こんにちはー。

こんにちは。どうしたの?

3年生なんですけど、今企業研究してて、ちょっと教えて貰おうかと思いまして。

うん。いいよ。

この中小企業なんですけど、どう思いますか!?

随分ピンポイントだね、何で?

隠れ優良中小企業かもしれないからです!
ゆっくり霊夢はFランク大学の就職課に就職したようです【第42話】
※このサイトの記事は【Fラン大学就職チャンネル】の動画から引用・参考にして作られています。

へーそうなんだ。
えーっと、ホームページの企業概要は…。
あれ、ここ中小企業じゃないよ。

え…、じゃあ何ですか?

えーっとパソコンで調べてるけど大企業だね。

ここもぉ!?だって、業界8位とかですよ?

でも大企業だね。

あの…、じゃあこの企業はどうですか?

あ、そこは俺も知ってる。思いっきり大企業だよ。

えええ!?だって、凄いニッチな製品作ってるって・・・。(;´Д`)

それあんまり関係無いけど、大企業だよ。

あれ?あれぇ?もっと、隠れ優良中小企業みたいなのと・・・。

さっきからどうしたの。例えばどんな企業をイメージしているの?

業界内であんまり地位が高くないとか、ニッチな市場を占めてるとか・・・。ですね。

ああ、中小企業の定義を知らないんだね。

定義?

中小企業の定義は法律によって違うんだけど、例えば中小企業基本法ではこう定められているんだよ。

は、はあ・・・。

要するに、中小企業基本法の場合、中小企業に該当するかどうかは、「業種」「資本金(と出資金の総額)」「常用従業員数」の3点で決まるってこと。
サービス業を例に挙げると、仮に資本金5001万円以上で常用従業員数101人以上なら、それはもう中小企業には該当しないよ。

該当しない?じゃあ、その該当しない企業は何なんですか?

中小企業ではないんだから、大企業ってことになるよ。
まぁ実は、この中小企業基本法に大企業の定義は無いんだけどね。
ただ、中小企業の定義がハッキリしているから、この定義に該当しない企業を大企業扱いするのが一般的ってだけ。
実際、国の統計でも中小企業基本法を基に大企業と中小企業を分けていることが多いよ。

じゃあ、例えば従業員数51人の企業でも、資本金と業種によっては中小企業ではないってことですか!?

そうだよ。

業界8位でも!?

それはあくまで業界内での地位だから、中小企業かどうかとは関係無いよ。っていうか、それなりの市場規模の業界なら、業界内では中堅・下位でも大企業ってことが多いよ。

そ、それじゃあニッチな製品作ってるとかは?

それこそ全然関係無いね。

えええ・・・。マジっすか・・・。( ;∀;)

極端な話、仮に売上高が1000億円ある企業も、資本金と常用従業員数のどちらかが中小企業の基準内なら中小企業扱いになるし、町工場でニッチな製品を作ってる「ザ・中小企業」みたいな雰囲気の企業だって、資本金と常用従業員数のどちらも基準を超えてれば中小企業じゃないってこと。

はぇ~…。

あくまで、中小企業基本法ではね。
中小企業とか大企業って法律によって定義が異なるし、その辺ややこしいから、結構イメージだけで語られてるとこあるんだよね。
例えば、売上高や知名度とかでね。
確かに、傾向的にはそういう企業に大企業が多いんだけどね。

まさにそんな感じでした・・・。
生徒 ちなみに、他の法律だとどうなるんですか?

他の法律まで見るとややこしいよ。

えー、でも、一応知っておきたいんでお願いします。

じゃあ、ざっくりね。
代表的なのは会社法や法人税法だね。
先に注意して貰いたいのは、会社法は「企業」じゃなくて「会社」、法人税法は「法人」という言葉を遣うってこと。

え?何か違うんですか?

うん。企業、会社、法人っていうのは似たような言葉だけど、実際はそれぞれ意味が違うよ。
企業≠会社≠法人だけど、分かりやすさを優先して、この場では似たようなもんだと思って聞いてね。
【※「企業」が最も広い概念で、法人や会社を含みます。詳しくは話が結構脱線してしまうので、また別の話で解説します。】

まず、会社法の場合、中小企業に類する会社の定義は無い。
※商法の頃は大会社、中会社、小会社と分けられていました。
定義されているのは「大会社」だけで、こんな感じ。

えーっと。

簡単に言えば、資本金5億円以上または負債200億円以上の株式会社ってこと。
言い方を変えれば、資本金5億円未満で負債も200億円未満なら大会社には該当しないわけだから「中小会社」と言うことも出来るかな。
あんまり聞かない言い方だけどね。

確かに、耳慣れないですね。

次に、法人税法における「中小法人」の定義はこれ。

訳わかんないです。

簡単に言えば、資本金または出資金1億円以下の法人。
この法人税法の関連で一時期話題になったのが、吉村興業やシャーポだね。

え、何かありましたっけ?

この2社は、売上規模は巨額だけど、資本金を減資して法人税法上の中小法人になった。又はなろうとしたことでニュースになったでしょ?

あー、確かにそうだったような…。

まぁこの2社に限らず、上場企業でも法人税法上は中小法人扱いになってるとこはあるんだけどね。

全部がニュースになってるわけじゃないんですね。

ほらこれ見て。

あ、あの!何か、めっちゃ混乱してきました!((+_+))

だから、こういう定義もあるってくらいに理解しておけばいいよ。

結局、どの定義で考えたらいいんですか?

中小企業についてなら、中小企業基本法でいいと思うよ。
国の統計でもそれが一般的だしね。
予備知識として、会社法や法人税法などにもそれに類する概念があって、定義は異なるってことを知っておけばいいんじゃないかな。
あとは時と場合、文脈に応じて使い分けだね。まぁそんな場面あんまり無いと思うけどね。

わ、分かりました。

ちなみに「大手企業」とか「中堅企業」っていう言葉にも法律上の定義は無いよ。
まぁ一般的には、業界内で上位にある企業を大手企業、それより下位の企業を準大手とか中堅企業って言ったりするけどね。
統計調査とかの場合「資本金〇〇円以上は大手企業」みたいに独自に定義しているケースもあるけどね。
私生活ならいいけど、面接みたいにフォーマルな場では、定義のある言葉の遣い方に注意してね。
例えば「大企業では埋もれてしまうから、中小企業で力を試したい」みたいな志望理由を話す学生っているでしょ。
これ自体はどうでもいいんだけど、その企業が中小企業じゃないのに、業界内で中堅・下位だから中小企業扱いして、採用担当者を苦笑いさせてしまう学生もいるから。
グループディスカッションみたいな場でも、言葉の定義をメンバーと共有することは大事だしね。
人によって言葉の定義が違ったら、議論が噛み合わないでしょ?

そ、そうですね。気をつけます。

まぁ脱線したけど、さっき言ってた企業の分析について続けるよ?

あ、いいです!大企業なんで!
今度はバッチリ中小企業探してくるんで、またお願いします!それでは失礼します!ササササッ

別に、そこに拘らなくてもいいと思うんだけどwww。
続く。
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