【第51話】※就職率97.6%って本当!?大学等卒業者の就職状況調査 編 Fラン大学生就職活動実録



ということで、◯◯は××なので~…ってちょっと!寝ちゃダメですよ!

二人くらいほっとけばいいじゃん。
ゆっくり霊夢はFランク大学の就職課に就職したようです【第51話】
※このサイトの記事は【Fラン大学就職チャンネル】の動画から引用・参考にして作られています。

で、でも…。

ふぁぁーーーーーー。あーよく寝た。

もう…。ちゃんと聞かないと…。

サチコさーん、これだけ売り手市場なんですから、そんなガチで対策しなくていいんじゃないですかー?w

えっ!?

そうそう。この前、昨年度卒業者の就職率97.6%ってニュースで言ってましたよw余裕すぎません?

いや、それは…えーっと…

サチコさん、危機感煽りすぎですよーw

うーん…。

売り手市場ではあるけど、就職率97.6%って数字は実態を表していないけどね。

はい?

昨年度は全国で約56万人の大学生が卒業したわけだけど、その97.6%が就職しているわけじゃないってこと。

ど、どういうことですか!?

君達が言ってる就職率は、厚生労働省と文部科学省が連携して調査した「大学等卒業者の就職状況調査」の結果ね。平静28年度の同調査では、確かに大学生の就職率は97.6%と発表されている。

で、ですよね!?だから俺達の就職も余裕なんじゃ…。

大学生の就職率については、文部科学省の「学校基本調査」にもデータが掲載されている。平成28年度の同調査だと、卒業した大学生559,678人のうち、非正規を含めた就職者数は418,163人。うち正規社員は399,025人。単純に就職率を算出すると、74.7%。

な、74%!?

全然違いますね…。

まぁ、これは大学院に進学した学生とかまで分母に含めちゃってるから、これはこれで実態を表した数字じゃないので注意。進学者を考慮しても、就職率が90%台後半なんてことはないけどね。

同じ国の統計調査なのに、何でそんなに差があるんですか…?

分母が違う。「大学等卒業者の就職状況調査」の就職率計算式って、分母が「就職希望者数」なんだよね。

あ…。

…?

…?

「就職希望者」って、何ですか?

その名の通り、就職を希望していた学生のこと。これは文部科学省が平成25年に出した「文部科学省における大学等卒業者の「就職率」の取扱いについて」に記載されている文言の一部。
3.「就職率」における「就職希望者」とは、卒業年度中に就職活動を行い、大学等卒業後速やかに就職することを希望する者をいい、卒業後の進路として「進学」「自営業」「家事手伝い」「留年」「資格取得」などを希望する者は含まない。

…。

分かりやすく言えば、大学院に進学、大学院浪人、就職浪人、アルバイト、家事手伝いなどを希望した学生は「就職希望者」にカウントされていない。

は、はぁ…。でも、そんな学生って、そこまで多くないんじゃ?

「平成28年度学校基本調査」だと、大学院進学が67,563人。大学院浪人が2,334人。資格取得や教員採用などを目指している就職浪人が25,598人。家事手伝いやボランティア団体などに参加していく学生が20,934人。アルバイトやパートタイムが10,184人。あと、臨床研修医や状況不明、死亡者が含まれる「その他」が14,970人。
※文部科学省に問い合わせたところ、半分以上は臨床研修医。次いで、進路報告書を未提出の状況不明者が多いそうです。

これらを合計すると、141,583人。学部卒業者数が約56万人だから、学部卒業者の約25%はそういう人達。

25%も!?

そういう層をごっそり除いた分母で就職率を算出したのが、君の言ってる97.6%だよ。

…。

それに、「大学等卒業者の就職状況調査」で調査対象になってる大学って、国立大学21校、公立大学3校、私立大学38校の計62校。平成28年5月1日時点で日本の大学数は、国立86校、公立88校、私立600校の計774校。大学の就職率を下げてる大学なんて、どう考えてもうちみたいな文系Fラン私大だと思うんだけど、一体この統計調査にどれだけ含まれているんだかって感じだね。

全国の大学全体に占める私立大学の割合は約78%だけど、この調査だと私立大学の割合は61%。調査対象の大学は非公開だけど、大体どういうレベルのところかは察しがつくし。調査対象の学生数は4,770人だからサンプル数的には問題ないんだけど、対象大学には偏りを感じるね。いくら国の統計と言っても、この調査方法で算出された就職率はちょっとアテに出来ない。いつも言ってると思うけど、調査方法は確認しないと。それに、就職希望率って、卒業が近くなるにつれて減少していくしね…。

ですね…。

どういうことですか?

最初は就職希望でも、卒業間近まで就職が決まらなければ、就職浪人や他学校へ転学などを希望する学生さんが増えるんですよ…。

そういう学生は「就職希望者」にカウントされなくなるから、就職率の分母に入っていない。でも、統計上はともかく、事実上は就職出来なかった学生なんだよね。そういう層が計算に入ってない就職率だから、アテにしないことだよ。

はい…。

まぁ、統計的に売り手市場であることは間違いないよ。実際、「学校基本調査」によると、「進学も就職もしていない者」と「その他」はここ数年で減少傾向。平成19年3月から平成28年3月までの10年間だと、一番酷かったのが平成22年~24年。

その時期って…。

リーマンショック時の就職氷河期って言われる時期だね。この時期は、「進学も就職もしていない者」が86,000~88,000人くらい。状況不明者を含む「その他」が18,000~22,000人くらいいたわけ。今は「進学も就職もしていない者」が48,866人、「その他」が14,970人だから、まぁ随分良くなったとは思う。

リーマンショックの時は、特に連絡がつかなくなる学生さん多かったって聞きますもんね…。

まぁ、就職上手くいかなかったら進路報告書を提出する気も無くなるだろうしね。

売り手市場と言われていても油断せずに、頑張らないといけないってことですね!

うえぇ…。

きっついなぁ…。

それにしてもさすがJさん。詳しいですね。

うん。うちの大学の就職率もこれと全く同じ方法で算出してるからね。いつも参考にしてるってこと。

…。

…。

…。
続く。
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