【第53話】※オワハラって何!?考えが甘い学生達が陥りがちな罠について 編 Fラン大学生就職活動実録



いつもながら、この時期の就職講座は暗い雰囲気になりますよね…。

うん。

今日の講座のテーマなんですけど、今更やる必要ありますかね…?

この時期にならないとちゃんと話を聞けない学生もいるってこと。

え…?
ゆっくり霊夢はFランク大学の就職課に就職したようです【第53話】
※このサイトの記事は【Fラン大学就職チャンネル】の動画から引用・参考にして作られています。

就職課の皆さん!今日はよろしくお願いします!

よろしくお願いします。

学生の皆さんも、よろしくお願いします!

お願いしまーす…。

それでは、さっそく始めます。えー、本日講師を努めさせて頂きます。Gと申します!
前職では採用と法務を担当していました!今は企業法務専門の弁護士業と、たまにこうやって講師やって小遣い稼いでます。ははは。

…。

…えー、今日皆さんにお話したいのは、所謂“オワハラ”についてです!

あー、オワハラか…。

たまに聞くけど、オワハラって何なんだろ。

オワハラっていうのはですねぇ…そこの君ぃ!

え?俺ですか?

内定、あげちゃう!

え!?アッハイ…。

じゃ、この誓約書書いてよ。

誓約書!?

「就職活動を止めて、うちに入社します」って誓約書。

え…。えーっと…。

書かないなら内定あげない。

えぇ!?か、書きます書きます!

そんじゃ、もう就職活動止めてね。他社の選考受けちゃダメだからね!

は、はい…。

とまぁ、こんなのが一例です!

うわぁ…。

俺、これやられたよ…。

オワハラというのは、企業が学生に対して、就職活動を早く止めるように強いることです。皆さん。もし、まだ志望度の高い企業の選考が残っているとしてですよ、第二、第三志望くらいの企業の最終面接で、内定と交換条件で就職活動を止めることを迫られたら、どうします?

う、うーん…。

内定取っちゃったほうが良くね?第一志望から内定貰えるとも限らないし…。

いやいや、志望度低い企業行ってどうすんだよ。

皆さん。そういう時は、貰うもん貰っといて、バレないようにシレッと他社の選考を受けるのが正解です!

えぇ…。

だ、大丈夫なんですか?

誓約書とか書かされたら…。

そんなもんに法的拘束力はありません!

だって、誓約書ですよ!?

全ての誓約書が有効とは限らないですよ!新卒の内定っていうのは、来年度から労働するって予約みたいなもんです。だから、企業側にも学生側にも、「やっぱ無し」の権利があるんです。実際、企業側だって内定取り消しするでしょ?その権利は学生さんにもあるんです。実際に働く二週間前までなら、内定を辞退しても法的には問題ありません。まぁ倫理的には、辞退するなら早めに。出来れば内定式よりも前に、ですかね。ただ、企業側の都合があるように、学生側にも都合がありますよね?だから、自分の就職活動が終わるまで、内定はキープしとけばいいんですよ。

企業側の都合って何ですか?

採用部には、「今年は◯◯名採用してね!」という指示が与えられています。内定辞退によって学生が欠けると、指示を達成出来なくなってしまう。穴埋めをしないといけません。ですから、内定辞退者は早めに知っておきたいし、そもそも内定辞退者を減らすように動くんです。その手段の一つが先ほどの例です。法的に契約成立が認められなくても、念書や内定契約書みたいな”ソレっぽいもん”書かせて、雇用契約が成立したような雰囲気を作ろうとする。中には、そういう手を使う企業もあるんです。誓約書書かないまでも、口頭で「就職活動止めてね」くらい平気で言われます。

えぇ…。

もっと踏み込んでくる企業だと、内定辞退を伝えたら、考え直すように説得されたりとか。酷い場合、損害賠償なんて言葉まで持ち出して脅してくる担当者も居ます。

何ですかそれ!こわっ!

いや、そんなこと言って脅されたら逆にやり返せるんで、その際は私にご相談下さい。意志薄弱な学生、気の弱い学生はこういう手で落とされるんです。チョロいですから。社会でもそうなんですけど、こういうのって、気が弱かったり、無知な人に言うことを聞かせるために効果的な手段なんです。

そ、そんなこと教わりませんでしたよ…。

そうですか。

俺、誓約書書くのを拒否して落ちされちまった…。

はぁ、そうですか。

そういうことは、もっと早く教えるべきじゃないですか!?

そ、そうだそうだ!

君ら何か認識違いされてますね。まずね、この程度の情報は十分オープンになってますよ。ただ君らが情報を得ようとしていないから、耳に入ってないだけでしょ。それにね、就職に限らず、生きていく上で重要な情報って全て教わります?そりゃ教わることもあるでしょうけど、教わらんことも相当あるでしょ?教わらんのですよ。まず、それが基本なんです。事前に教わるのが「普通」とか「当たり前」とか、その思考がそもそも誤ってるんです。

はぁ!?

いやいや…。

義務教育から抜け切ってないんですよ。頭が。皆さん、これから社会に出て行くつもりなんでしょう?この辺ちゃんと理解している人は、先々考えて自分で調べようとしたり、情報が入りそうな環境を探してますよ。君らみたいに口開けて情報が入るのを待つんじゃなくて、主体的に動くんです。君ら、受動的なんです。生きることに。だから、知らないことがあると、誰が教えるべきだとか、義務だとか、仕事だとか、責任の所在に拘り出すんです。ハッキリ言いますけど、不毛の極ですそれ。だって、責任の所在がどこにあろうが、実害被るのは自分でしょ?君ら、環境も選ばない。調べもしない。ついでにどうやら頭も悪い。それが原因で失敗しても、反省もせず責任の所在探しに思考が向く。これってもう、思考の癖みたいなもんなんですよ。輪っかですよ輪っか。変えようとしない限り、一生そこから出られません。

(言いすぎぃ!)

“今の”君らの状況で考えないといけないのは、知らなければ損をすることが沢山あるって現実にどう対応するかです。それが無理なら、一生カモとして生きるか、誰にも騙されないように部屋から出ないことです。法律の世界も同じなんです。「教わらなかった」とか「誰かが教えるべき」とか、そんなもん関係無く、知らないことが致命傷になる世界なんです。君らもね、自分で頭回して、先々必要なことは調べないと。

…。

それでは続いて、君らみたいな甘い学生さん達が陥りがちな罠について、法的な観点から…
(数十分後…)

はいお疲れ様。私からの話は終わりなんで、サチコさん締めて頂けます?

え!?えー…。そ、その…オワハラについては、先月、先々月の就職講座でも触れていましたので、知らないっていうのは…その…。

え!?

そんな話あったっけ…?

俺、その時のは参加してないな。

だから、この程度の情報はオープンになっているんですって。自分の人生に当事者意識を持ってないから、重要な情報を聞き逃すんですよ?
続く。
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