うーん…。今日の「キャリア基礎講座」大丈夫ですかねぇ…。
知らない。
うーん…。今日の「キャリア基礎講座」大丈夫ですかねぇ…。
知らない。
講師の方、ショック受けたりしないですかねぇ…。
Fランで教えるの初めてみたいだし、カルチャーショックはあるかもね。いつものセミナーは自主参加型だけど、今日は単位の出る講義だからね。就職意識なんて全く無くて、ただの単位稼ぎで参加してくる学生も多いだろうから。
荒れますよね…。
まぁ、いつも通りなんじゃないの。
いざとなったらどうすればいいんでしょうか!?
いざとなったらもうどうしようもないでしょ。
ゆっくり霊夢はFランク大学の就職課に就職したようです【第59話】
※このサイトの記事は【Fラン大学就職チャンネル】の動画から引用・参考にして作られています。
えぇ~…。
(講義会場)
(Jさんはどうしようもないって言ってたけど、講師を呼んでおいて無視ってわけにもいかないし…。)
今日はよろしくお願いします!!
あっ!はい!よろしくお願いします!あのぉ…。
はい?
その、うちの学生達って、少し個性的というか…。ちょっと驚くこともあるかも知れませんが、もしご迷惑をおかけしたらすみません…。
個性的?いいじゃないですか!学生達の個性は尊重しますよ!迷惑だなんてとんでもないです!
あ、はい…。えーっと…そうですよね…。
これからは個人の時代ですからね。学生一人一人の個性が大事だと思います!
はい…。仰る通りだと…思います。
それでは定刻になりましたので始めます!皆さん初めまして。講師のYと申します!本日のキャリア基礎講座を担当します。よろしくお願い致します。
(LINEの着信音が鳴っている。周囲はガヤガヤとうるさい。)
えー、今日は面接対策の一環として、企業の全体像を把握する方法について解説します。企業の全体像を理解しておかないと、面接で変なこと言っちゃうかもしれませんからね。基礎情報ですから、ちゃんと頭に入れておきましょう。
あ?もしもし?うん。講義中~。え、マジで。あー…。いや、また後でかけ直すわ。あーい。
企業の全体像を把握する方法は色々あります。大体はホームページに事業内容が書かれていますので、それで大よそは分かると思います。しかし、今日は敢えて「有価証券報告書」を見てみましょう。
(着信音鳴りまくり。ガヤガヤしていて全然静かにならない。)
なぜかと言うと、有価証券報告書には定量的情報が掲載されているからです。1つの企業が様々な事業を行っているケースもよくありますので、それぞれの事業がどれだけ売上高を稼いでいるのかも把握しておきましょう。有価証券報告書は各社同じ形式で公開しているので、企業比較の際にも便利です。
もしもし。後でかけ直すって言ったじゃん。うっせーなぁ。今講義中だっつの。は?別れる?何でそうなんだよ。いやいや、ちょっと落ち着けって。してねーって!だから、後でかけ直すから!はい。はーい。
(ホームページが表示される)
それでは、ある企業の有価証券報告書を用いて解説していきます。有価証券報告書は、企業のホームページで公開されています。規模の小さい企業は公開していないことが多いですけどね。試しに平成29年3月期の報告書を開いてみましょう。
(目次が表示される)
こんな感じの目次が出ます。では、まず【販売の状況】を見てみましょうか。
(【販売の状況】の項目が表示される)
ここに、その企業が行っている全事業と、その売上高が載っています。このように、事業別に分かれた情報などのことをセグメント情報と言います。覚えておきましょう。これによれば、この企業は、平成29年3月期時点で「国内外食事業」「宅食事業」「海外外食事業」「環境事業」「農業」の5事業を行っていることが分かります
ここで重要なのは、この企業の売上高に占める各事業のシェアです。平成29年3月期の数値で計算すると、「国内外食事業」のシェアは約47.7%、「宅食事業」のシェアは約35.8%、「海外外食事業」のシェアは約12.7%と、この3つが主力事業であることが分かります。
はい…もしもし。お前さぁ、流石にしつこいぞ。I子から話を聞いた?いや、何のことか全然分からないけど。……。あーはいはい。確かにしました。浮気しました。でも、誘ってきたのはあっちからだから。うるせーなぁ。切るぞ。
また、28年3月期まで主力事業の一角であった「介護事業」が29年3月期からは計上されていないことが分かります。こういう部分に疑問を持ったら、調べてみると良いです。この企業の場合、平成27年に経営状況の悪化から、大手保険会社に介護事業を売却したんですね。こういうトピックスもちゃんと把握しておきましょう。知らずに虎の尾を踏まないように。
そして「環境事業」と「農業」のシェアは、売上高全体からすると僅かですね。つまり、主力ではない。主力事業以外についても把握しておくことは大事ですが、面接でその話ばかりしない方が無難です。企業側は、皆さんが自社にどう貢献出来るかを見ています。ですから、自分がその企業の主力事業にどう貢献出来るかという観点でアピールするのがベターでしょうね。屋台骨となっている事業は、やはり企業内でも重要視されていますからね。
ここまで大丈夫でしょうか?質問等あれば…。
……。
はい。続けますね。
(【事業の内容】の項目が表示される)
次に【事業の内容】を見てみましょうか。この項目では、グループ内の各社が何の事業を担っているのかが分かります。先ほど主力事業と分かった「国内外食事業」と「宅食事業」は、グループの母体となる企業が行っていることが分かりますね。同じく主力事業の一角である「海外外食事業」は、グループ内の別企業が行っていることが分かります。「農業」と「環境事業」も同様ですね。
つまり、母体企業に就職するつもりならば「国内外食事業」や「宅食事業」あるいはグループの統括事業に従事する可能性が高いということです。(※グループ全体で一括採用して、グループ内各社に配属させる企業もあります。)
この企業グループ全体としては「農業」や「環境事業」をアピールしている面もありますが、学生側があまりにもそこを全面に押し出してアピールしてしまうと、企業側とギャップが生まれる恐れがありますね。
すみません。先ほどから携帯の着信音が鳴っているので、講義中はマナーモードにして頂けますか?ここからまた大事な話なので、よく聞いてくださいね。…よろしいでしょうか。
(【事業の状況】の項目が表示される)
それぞれの事業の現状を知りたければ【事業の状況】という項目を見てみましょう。損益状況やその原因、今何をしようとしているのかが分かります。また、企業側の考える課題についても書かれており、参考になると思います。
有価証券報告書については、とりあえず以上です。ざっくりでしたが、これだけ押さえておけば及第点だと思います。このような情報を把握しておくと、その企業の説明会やセミナーで質問の機会があった時、より踏み込んだ情報を聞き出せるかもしれません。それが志望動機の差別化や強化に繋がります。
また、定量的な情報を押さえておくと、自分の主張の説得力が増します。そういう意味でも、有価証券報告書や決算資料の情報はお勧めです。面倒臭く思われるかもしれませんが、先ほども言った通り、有価証券報告書のフォーマットは決まっているので、一度読み方を理解すれば、他社の分析も容易になります。むしろ、企業によって書き方のバラバラなホームページを見るより、まずは有価証券報告書を見た方が分かりやすいかもしれませんよ。
(一向に周囲が静かにならない。そして…)
うるっせんだよ山猿どもがよぉ!お前らがこの手の話を1分も聞けないクソド低脳だってことは一万歩譲って勘弁してやるけど、せめて周囲を巻き込むんじゃねーよ!誰の迷惑にもならないように、一人で社会から外れていけよ!今日の講義は人間向けの内容なんだよ!獣の類が参加してくんじゃねぇ!このクソ◯◯どもがよ!元の××に帰れ!人間の世界に入り込んでくるな!◯◯◯◯◯◯が△△△△△△の□□□◎◎◎◎◎◎…
せ、先生!落ち着いて!ちょっとこちらへ!!
…あれ、もしかして講義終わり?
ラッキー。帰ろうぜ。
これ出欠どうなんの?
適当でいいっしょ。
何言ってるかよく分かんなかった。
続く。
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